NASAがオメガを選び、宇宙飛行士たちの装備品に決まって以来、様々なミッションでスピードマスターは宇宙へ行っています。アポロ計画のための実験と訓練を目的としたジェミニ計画のジェミニ5号から始まり、月面着陸のアポロ計画、宇宙ステーション計画のスカイラブまでの全ミッションを記念した特別モデルが作られました。インダイヤルにミッションエンブレムを載せた22本と、1957年に登場した初代モデルの復刻モデル1本、計23本を1セットとしたスペシャルボックスがスピードマスター誕生40周年の1997年にリリースされました。
このとき発売されたスペシャルボックスは40セット限定。そして翌年には各モデルを限定150本にて単体販売しました。合わせても190本しか生産されていない超レアモデルとなります。最近の限定モデルですと、アポロ11号50周年記念モデルが6969本限定ですのでその少なさが分かります。ちなみに最初のセットに入っていた時計には「XX/40」というシリアルナンバーが刻印されているので見分けることは簡単です。この刻印が入ったものを手にする機会はめったにないでしょうが...
スピードマスター ファーストレプリカ 3594.50

全てのスピードマスターの原点、ファーストモデルの復刻がこちら。ブロードアロー針、ステンレスベゼル、文字盤のロゴも初代を再現しています。
このモデルだけは限定ではなく2003年頃まで生産されていました。
スピードマスター プロフェッショナル ミッションズ ジェミニ8号 3597.06

アポロ計画、月面着陸のための技術開発を目的とした有人宇宙飛行計画の「ジェミニ計画」
ジェミニ8号の船長はかの有名なニール・アームストロングです。
スピードマスター プロフェッショナル ミッションズ ジェミニ9号 3597.07

ジェミニ9号はドッキング対象となる標的機が軌道投入に失敗し、ジェミニ9号の打ち上げも中止されました。その後別の標的機を打ち上げミッション名もジェミニ9-A号に変更されています。ですのでこの時計も正確には"ジェミニ9-A号モデル"となるのでしょう。
スピードマスター プロフェッショナル ミッションズ ジェミニ10号 3597.08

人を月へ送るアポロ計画で絶対に必要になる宇宙船と月着陸船のドッキング。その技術開発の一環としてジェミニ10号では人工衛星とのドッキング、そして船外活動を行っています。このとき船外活動を行った宇宙飛行士はマイケル・コリンズ。後にアポロ11号で司令船パイロットを務めた人物です。
スピードマスター プロフェッショナル ミッションズ アポロ7号 3597.11

アポロ計画は6号までは無人試験飛行であり、最初の有人飛行が7号です。
船長はウォルター・シラー。初めてオメガを宇宙へ連れて行った人物で、その時の時計をモチーフにしたものが"ファースト オメガ イン スペース"として発売されています。
参考記事
【記念モデル】スピードマスター ファースト オメガ イン スペース 311.32.40.30.01.001スピードマスター プロフェッショナル ミッションズ アポロ9号 3597.13

アポロ計画における三度目の有人宇宙飛行であるアポロ9号。
"司令・機械船"と"月着陸船"、打ち上げ時に使用される"サターンV型ロケット"と、アポロ宇宙船に必要なものをすべて搭載した初めての飛行が9号です。
そのため記章にはこの3点セットが描かれております。

アポロ9号のエンブレム
出典:NASA
スピードマスター プロフェッショナル ミッションズ アポロ12号 3597.16

9時位置のインダイヤルに各ミッションのエンブレムが描かれているのがこのミッションズの特徴。アポロ12号では乗組員が全員海軍であったため帆船が描かれています。

アポロ12号のエンブレム
出典:NASA
スピードマスター プロフェッショナル アポロ13号 3595.52

実はこのアポロ13号は、スペシャルボックス発売前にアポロ13号25周年限定モデルとして一足早く1995年に発売されました。
同年に公開された映画「アポロ13」の人気と相まって発売と同時に売り切れるほどの大人気モデルでした。
爆発事故で地球帰還を危ぶまれた中、スピードマスターで14秒を正確に計測したのは有名なエピソードですね。

アポロ13号のエンブレム
出典:NASA
スピードマスター プロフェッショナル ミッションズ アポロ14号 3597.17

アポロ14号の船長アラン・シェパードは、月面からのテレビ中継の際に人類初の月面ゴルフを行ったことでも有名です。 同じく9時位置のインダイヤルにアポロ14号のエンブレムが入っています。

アポロ14号のエンブレム
出典:NASA
スピードマスター プロフェッショナル ミッションズ スカイラブ3号 3597.23

宇宙ステーション計画であるスカイラブ。ラブは「laboratory」(実験室)の略です。

スカイラブ3のエンブレム
出典:NASA
宇宙へ行くという20世紀最大の功績を後世に伝えていくにふさわしい時計達です。
今回の記事では実機を撮影できるもののみご紹介しました。当店でも23モデル全てを用意することは難しくその一部のみご紹介するような形になっておりますが、また入荷があったら追加していきたいと思います!