2021/05/16
【310.30.42.50.01.001 / 310.30.42.50.01.002】新型スピードマスター プロフェッショナル 【旧型とどこが違う?】
CONTENTS
310.30.42.50.01.001 プラスチック風防
310.30.42.50.01.002 ガラス風防+裏蓋スケルトン仕様
【スペック】
ケースサイズ:42mm
キャリバー:3861
駆動方式:手巻き
パワーリザーブ:50時間
素材:ステンレススチール
防水:50m
第7世代と第6世代の違いは僅かでしたが今回はかなり変わってきました。
実機を見比べながら比較していきたいと思います。
左:前型 311.30.42.30.01.006 右:新型 310.30.42.50.01.002
サファイアガラス風防のモデルで比較してみます。
変更点1 ステップダイヤルの採用
まずはフェイスです。文字盤のミニッツトラック、外周部分の分刻みの線が刻まれている部分と内側とに段差が付いています。
これはヴィンテージのスピードマスターに存在したステップダイヤル-段付き文字盤-を再現したもので、インダイヤルも大きく窪んでいるため立体感のある文字盤になっています。 左:前型 311.30.42.30.01.006 右:新型 310.30.42.50.01.002
変更点2 アプライドロゴの採用(310.30.42.50.01.002のみ)
新型でもこれまで同様、プラスチック風防とサファイアガラス風防の2つの仕様がありますが、サファイアガラス風防仕様のみオメガマークが立体的なアプライドロゴになっています。初代スピードマスターから第4世代まで採用されていた仕様です。何故かガラス風防モデルのみの仕様でプラスチック風防モデルはプリントです。変更点3 ミニッツトラックのメモリの数
文字盤の1分刻みの線の間に、さらに細かい線があるのがお分かりいただけると思います。 前型では5メモリ、つまり1分を5等分とする刻まれ方でしたが新型では3メモリとなっています。これはムーブメントの振動数に合わせた変更です。細かい刻みの方が高精度でありそうなアピールになるのでしょうが、オメガがいかに精度にこだわり見掛け倒しを嫌うメーカーであるかを象徴しています。変更点4 針の形状
新型では長針・クロノグラフ秒針の先端が文字盤に近づくようにカーブしています。オメガに限らずヴィンテージウォッチによくある仕様ですが、かつては針と文字盤が近づくことにより見やすくすることを目的としたものでした。近年では針も文字盤も高品質となり必要性がないものですが、ヴィンテージの雰囲気を表現するためあえて採用されています。職人の手作業が必要になる繊細な作業ですが、それに見合うだけの美しさがあります。また、クロノグラフ秒針の根元が菱形となっています。1962年~1969年頃の仕様です。
針の先端が文字盤に近づくようにカーブしている。
クロノグラフ針の根元が第4世代を彷彿させる形状。細部にまでこだわりが見られる。
変更点5 ブレスレットの変更
見た目に最も大きく変わっている点がブレスレットです。コマが小さくなり、バックルに向かって幅が細くなっています。これだけでだいぶビンテージ感が増します。更には腕にフィットし装着感の向上と、コマ1個分の長さも短くなるのでサイズ調整も微調整がしやすくなります。 オメガCEOが装着感を改善したと公言していますので自信作なのでしょう。
バックルも変わりました。
ブレスレット幅に合わせて細くシームレスになっております。
こうして見るとだいぶ違いますね。
変更点6 ドット・オーバー90、ドット・ダイアゴナル・トゥ70
これは実に微細な変更点です。この違いに気づく方はスピードマスターに相当詳しい方ではないでしょうか。左が前型、右が新型です。
タキメーターの数字の横にあるドットの位置に注目してください。
新型は90の上にドット、70の斜め下にドットがあります。ダイアゴナルとは対角線という意味で、確かに「70」の左上から右下への対角線の延長線上にドットがあります。
変更点7 ムーブメント
スピードマスター プロフェッショナルは1996年以降、Cal.1861というムーブメントを搭載してきました。名機と称えられ20年以上使用されたムーブメントですが、今回ついにコーアクシャル化とマスタークロノメーター認定が果たされたCal.3861となりました。出典 オメガオフィシャルサイト
精度、耐久性はもちろんのこと、オメガが次に求めたものは耐磁性能。パソコンや携帯電話が身近にあることが当たり前の現代において当然求められる性能でしょう。
Cal.3861はムーブメントそのものが高い耐磁性能を持っているため、ケース側に耐磁性を持たせる必要がなくなりました。そのためインナーケースが必要なくなり、軽量化と薄型化が可能になりました。
またこれまではシースルーバックモデルには見た目を美しくリファインしたムーブメントを搭載していましたが、Cal.3861はソリッドバックとシースルーバックのどちらの仕様にも共通で搭載されています。確かにこれだけ美しいムーブメントならその必要はないでしょう。
第7世代まで採用されていたスピードマスターのインナーケース。ファーストモデルですでに採用されていたもので、耐磁性を大きく向上させている。