【5thモデル初期型】ストレートライティング【ムーンウォッチ】 | ユニバーサルバリュー中野店ブログ

2021/10/03

【5thモデル初期型】ストレートライティング【ムーンウォッチ】

スピードマスターの歴史の中で最も長く生産されたモデル、第5世代の145.022。 1968年に登場し1988年まで20年間に渡り生産されました。
今回はその初期に存在した「ストレートライティング」の裏蓋のご紹介です。

スペック

Ref.145.022(1969年~1988年)
※型番は「145.022」だが、末尾に「-69ST」や「-74ST」等のサブリファレンスと呼ばれるものが付くことがある。
ケースサイズ:42mm
キャリバー:861
駆動方式:手巻き
素材:ステンレススチール
風防:プラスチック
防水:日常生活防水
スピードマスター 145.022

ストレートライティングとは

スピードマスター ムーンウォッチの特徴として裏蓋に刻まれた文字「THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON」 オメガの裏蓋の刻印 現在では中央のシーホースの周りを円を描くように刻印されていますが、この145.022の初期において直線状に刻まれているものが存在します。これをストレートライティングと呼びます。 スピードマスターのストレートライティング 人類初の月面着陸が1969年、スピードマスターが「ムーンウォッチ」になり、そのことが裏蓋に刻まれた最初期の仕様です。 この個体は「THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON」が直線状に書かれており、その周りには「FLIGHT-QUALIFIED BY NASA FOR ALL MANNED SPACE MISSION」と書かれています。 これ以外にも「OMEGA SPEEDMASTER-APOLLO XI 1969」と書かれている個体も存在します。
1971年からのサブリファレンス「-71」が付いた「145.022-71」以降では裏蓋がメダリオンのシーホースとなっているため、このストレートライティングは本当に極初期の短い期間にしか製造されていません。
※サブリファレンスに関しては145.022-69が70年代前半に製造されていたりと、スピードマスターにおいては必ずしも製造年を示すものではありません。 オメガの裏蓋の刻印 145.022-74STの裏蓋

この年代のスピードマスターの特徴としては他に「ステップダイヤル」もあります。 これは2021年発表の新型ムーンウォッチでも再現されていますのでご存知の方も多いのではないでしょうか。文字盤の外周部に段差がついています。 また、インダイヤルの窪みが近年の物に比べると深くなっています。 オメガの文字盤 ステップダイヤル 左が80年代、右がストレートライティング、どちらも第5世代の145.022

ヴィンテージの境目

スピードマスター愛好家にとって、どこまでをヴィンテージと呼ぶのかは当然意見が分かれることでしょう。 最初の大きな境界線はムーブメントがCal.321からCal.861に変わったところ。 そして次の境界線が、文字盤がステップダイヤルではなくなったところではないでしょうか。 ステップダイヤルが最後に採用されたのは145.022-71。メダリオンの裏蓋が登場した年です。 そして翌1972年はアポロ17号が最後の月面着陸を行った年です。 (個人的にはそれ以降の年式にもヴィンテージとしての魅力はたくさんあると思いますが)

その後の限定モデル等で、裏蓋が特別仕様になっているスピードマスターはたくさんありますが、一際魅力的なストレートライティング。 ヴィンテージの魅力を存分に感じられる一本ではないでしょうか。