2021/05/14
スピードマスター プロフェッショナルの見分け方
CONTENTS
第6世代
・3570.50・3572.50
・3573.50
この微妙な型番の違いを見分けるポイントは2か所、裏蓋・風防です。これに加えてムーブメントの違いもあります。
スピードマスターの伝統的なスタイルはプラスチック風防ですが、近年ではサファイアガラスも採用し現代的要素を取り入れています。
そしてムーブメントは長年採用し続けている名機Cal.1861と、このムーブメントの基本はそのままに「見せる」ことを前提に見た目が美しくなるリファインを施したCal.1863がシースルーバックモデルには搭載されています。
モデル | 裏蓋 | 風防 | ムーブメント |
---|---|---|---|
3570.50 | ソリッドバック | プラスチック | Cal.1861 |
3572.50 | シースルー | プラスチック | Cal.1863 |
3573.50 | シースルー | サファイアガラス | Cal.1863 |
第7世代
311.30.42.30.01.005311.30.42.30.01.006
基本的には第6世代同様シースルーか否かですが、よりシンプルになりました。
伝統的モデルか近代的モデルか、と考えれば良いでしょう。 出典 オメガオフィシャルサイト
モデル | 裏蓋 | 風防 | ムーブメント |
---|---|---|---|
311.30.42.30.01.005 | ソリッドバック | プラスチック | Cal.1861 |
311.30.42.30.01.006 | シースルー | サファイアガラス | Cal.1863 |
プラスチック風防の311.30.42.30.01.005(上)の方が丸く膨らんでいることが分かる。だが311.30.42.30.01.006(下)も一般的なサファイアガラス風防より膨らみがあり、スピードマスターらしさをきちんと表現している。
第8世代
310.30.42.50.01.001310.30.42.50.01.002
2021年に発売された現行モデルは第8世代になります。
第7世代と同じように2種類ラインナップされ、それぞれの見分け方は一緒です。
モデル | 裏蓋 | 風防 |
---|---|---|
310.30.42.50.01.001 | ソリッドバック | プラスチック |
310.30.42.50.01.002 | シースルー | サファイアガラス |
ただしムーブメントに変化が起こっています。長年使われてきたCal.1861ではなく、両モデルともコーアクシャル化されたCal.3861を搭載しています。
第7世代と第8世代との最も大きな差はムーブメントです。
世代間の違い
第7世代と第6世代この違いを見分けるポイントは1か所だけ。
左:第7世代 311.30.42.30.01.005 右:第6世代 3570.50
ブレスレットのピンが、叩きだったのがネジ式に変わっています。
これに伴いコマが僅かに大型化され厚みも増しています。ただしこれは比べないと分かりにくいと思いますので、見分け方としてはピンかネジかです。
第6世代と第5世代
第5世代に関しては生産期間が約20年とかなり長い為、どの年代のものと比較するかによって変わってきてしまいますが、一貫して言えるのはバックルの違いです。 第6世代ではプッシュボタン式になり開閉しやすくなっていますが、第5世代はパチンとはめ込むだけ。開けるときは結構固いので爪が割れそうになるちょっと不便な構造です。 古い時代の腕時計では一般的な構造ではありますが。
左が第5世代。右の第6世代のように開閉用のボタンがない。
夜光塗料の違いもあります。第5世代まではトリチウム夜光です。第6世代は極初期にだけトリチウムが存在しますが基本的にはルミノバになっています。 夜光塗料がトリチウムであることを表す「T SWISS MADE T」
ただし後のメンテナンス時に夜光塗料が塗り替えられてしまっている場合もありますので、第5世代だからと言って必ずトリチウムとは限りませんので注意が必要です。トリチウムとルミノバの見分けは時計職人でも困難な場合がありますので、トリチウムにこだわって第5世代を探す場合は気を付けましょう。
まとめ
変わらないことがスピードマスターの凄いところであることは他の記事でも触れていますが、正面から見ただけではそれぞれの違いを見分けることは困難です。でもそこがカッコイイ。小さな変更を地道に続け進化し続けるスピードマスター。知れば知るほど奥が深くなるスピードマスターの世界を一緒に掘っていきましょう。